第23回 全国夏期セミナー
鹿児島セミナー 報告
 
 
暑い鹿児島で熱き大会に!
  第23回全国夏期セミナーが鹿児島県文化センター及び鹿児島県民交流センターで7月29、30、31日の3日間にわたり行われました。(新聞にも取り上げられました。)
 性教育に対するバッシングもある中、1383名もの参加者を集め、暑い鹿児島で、それにも負けない熱気にあふれた素晴らしい大会となりました。しかも、鹿児島からの参加者が853名、全体の6割を越えました。これは、ひとえに鹿児島実行委員会の皆さん、鹿児島たんぽぽサークルの熱意と地道な努力によるものです。鹿児島たんぽぽセミナー、九州セミナー、キャンペーン講座と多くの取り組み、そしてサークルのきめ細かい熱心な呼びかけが実を結んだものと思われます。
 本部との連絡も大変こまめに取り、何が起きても敏速に対応し、問題を乗り越えてきてくれました。田北現地実行委員長を水戸黄門にたとえ、助さん・格さんに相当する、二川・村末事務局の二人のコンビが絶妙で、そこに協力する仲間達が、それぞれの役割を真剣に果たし、しかもいつも笑いが絶えない楽しい雰囲気で色々な困難を乗り越えてきました。サークルとしての動き方のお手本になるのではないかと思います。
 以下に3日間の様子を簡単に報告します。詳しい中身については次号の季刊『SEXUALITY』をお読みください。
 鹿児島たんぽぽの報告もぜひご覧ください。

7月29日 開会行事、記念講演、トーク&トーク

◆開会アトラクション
 開会アトラクションとして、奄美の島々に住む高校生10人と指導に当たられた3人の先生達による、「奄美から平和のメッセージ」と題した、スライド画面をバックにした、素晴らしい朗読劇が披露されました。「特攻を美化してはいけない」「戦争を正当化してはいけない」というメッセージが、客席にひしひしと伝わり、「いのちと平和の大切さ」をかみしめ、涙のあふれるものでした。

◆記念講演
 
記念講演では、医師の中村哲さんの「アフガニスタンから世界を見る」と題する講演で、淡々と話される内容が、人間としてこれほどのことが出来るのかと感嘆させられることばかりでした。戦乱のアフガニスタンに赴き、診療所作りからはじめ、医療活動に従事されてきました。恒常的に続く大干ばつの中で生活している人々の健康状況の現実から、「水」の必要性を実感し、井戸掘りから用水路作りへと活動を進めてこられました。それは、現地の人々の伝統技術をいかすことで、人々の自立を援助する活動でした。中村さんは、単にお金や物資をばらまくような国際援助の在り方を厳しく批判する立場に立っていました。
 アフガンの歴史とペシャワール会の働きについて、沢山のスライドを使いながら、話を進められ、襲撃や泥棒にも何回もあったという生活を経て、「金さえあればしあわせになる」とか「武器があれば身を守れる」ということが幻想であるとのお話には実感がありました。「明日、死ぬかもしれない子ども達の顔が明るいのに、日本のようにものを持てば持つほど、何かを守ろうとして暗い顔になっている。」という言葉も印象的でした。

◆トーク&トーク
 研究局長の金子の司会で、血友病の治療の中でHIVに感染させられた嶋陽一さん、DV加害者男性を再教育するプログラムを作成した「アウェア」を開いた山口のり子さん、障害を持つ子ども達に性教育を実践している授産施設「つばさ」所長の川瀬加代子さんの3人によるトーク&トークです。
 嶋さんは、薬害エイズの歴史の概略を話されました。「今、やっと気持ちのリハビリが始まった」という言葉の中に、これまでの差別と偏見に苦しんだご自身の苦悩が感じられました。そして、「HIVを社会から切り離さないでほしい」というメッセージとともに性教育への要望を語られました。
 山口さんからは、DVの背景として、特に加害者が暴力を軽く見ているということ、女は男に従うものというようなジェンダーバイアスが根強くあること、コミュニケーションの能力が不十分であることが性教育の課題と関連されて指摘されました。
 川瀬さんからは、福祉の現場の目線で、障害を持つ人が、時間・空間・人間関係の面で人間らしさを取り戻していくための援助の実態についてお話がありました。その中で障害を持つ人々にとっての性教育の重要性を強調されていました。
 「いまこそ共に生きる時代の性教育をつくるために」〜すべての人が安心して暮らせる社会をめざして〜というタイトルで、熱いトークが展開されました。

◆物品販売
 受付ブースでは性教協関連書籍や鹿児島セミナー記念グッズなどの販売も行われました。

 
7月30日 模擬授業・ティーチイン・ビギナー講座・テーマ別分科会

 午前19,午後20の会場に分けて行われたこれらの発表は、どこも熱気あふれる発表や講座で、討論も活発に行われました。
 例年同様、参加者にビギナーが多かったということもあり、ビギナー講座は大盛況、150名から200名の参加者を集め、内容も大いに満足していただけたようで、「しばらく定番にしたら?」の声も出ています。
 100名前後を集めた模擬授業やテーマ別分科会が9つあり、中にはホール形式のため、グループ討議等の参加型の形式をとるのが難しかったところもあります。
 また、少人数のおかげでじっくり話し合いができたところもありました。

◆速報
 毎日、できるだけ迅速に速報としてその日の講演、模擬授業、講座、分科会の様子やそれぞれの感想などを展示しました。
 他の講座、授業の様子も知ることができます。
7月31日 理論講座

◆『性教育―医療・教育・地域とつながっていくために』--安日泰子(ウィメンズヘルスクリニック院長)--
 今、性教育は学校のみではなく、地域・医療との連携を必要としてます。安日さんは、教育現場から医療へと職域を経た視点で、その立場を分析し、提言していました。
 行動変容の段階モデル・段階に応じたプログラムを具体的に提示し性教育の重要性を主張していました。また、婦人科開業医が出会う子どもたちの現実を明らかにし、医療従事者や教師がどの場面にいるティーンズと出会っているのか、そのあとに続く連携と役割分担をそれぞれ事例をしめしながら、わかりやすく解説・提言していました。


◆『性教育の全体像を描く』--村瀬 幸浩(性教協代表幹事)--
 まず、性教育への不当な攻撃が続く中で、具体的な学習課題を含む性教育の全体像を問題にしていく必要性が指摘されました。
 つぎに、ここでは私論としながらも、実践のための全体像を具体化する観点が示されました。思いこみ・偏見・迷信から脱する科学の視点、健康概念のとらえ直し、のぞましい共生のための自立など、これらを一定程度整理して性教育の内容として「性に関する、いのちと健康の学習、人権学習、共生学習」としておさえていくために構想化する観点がくわしく提示されました。

 以上、簡単ながら今回の鹿児島セミナーの報告といたします。次回夏期セミナーは2005年7月30日(土)〜8月1日(日)の日程で徳島で行われます。
今回参加された方も残念ながら参加できなかった方も来年
『第24回 性教協 全国夏期セミナー 徳島セミナー』(2005/7/30〜8/1)
でお会いしましょう。
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