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*勝手にやればあ! あんたの人生はあんたの人生なんだし……。でもいま自分がやっていることが自分の人生にどういう影響を及ぼすかっていうことを真剣に考えたことある? お金をもらって得をしたと思っているかもしれないけれど、一生取り返しのつかない大事なものをいまあんたは失おうとしているんだよ!
*あなたがそういう行動をとったわけは何なの? お金? それとも親への反抗? 寂しかったから? 悩みがあるんなら私が聞いてあげるよ。逃げないで自分の心と向かい合ってごらん。
*もしあなたの彼氏がお金目当てで年上の女とHしたことがわかったらどうする? 彼氏のこと不潔だと思わない? それと同じことだよ。本当に彼氏のこと好きならやめな。
*将来、結婚したいと思った人が出てきたとき、そのことを話すつもり? もし隠すならどんどんうそが重なってだれにも信用されなくなっちゃうよ。
*Hって、自分が一番大切でこの人なら、ていう人とするもんだよ。テレクラとか援助交際とかでHを体験しちゃうと、すてきなHができなくなっちゃうんだよ。
「売春はいけないこと」というタテマエと「自分の勝手」というホンネとのぶつかり合いの中で、生徒が自分で考え、自分の言葉で書いているので説得力がある。
たった一時間の授業で、生徒たちが自分の価値判断をゆるぎないものにできたとは思わない。だが、いままでただ「いけないことだ」としか言われなかったことに対して、「なぜ?」「どうして?」と自分の思考を働かせたことに意義がある。将来、売春的行為に誘惑されたとき、「ちょっと待てよ、どうすればいいのか」と立ち止まって考えるからである。
同じ展開方法では、教師の私が新鮮味を失ってしまうので、ほかの4クラスはそれぞれ次のような異なった展開で実践してみた。
1ロールプレイを取り入れ、“援助交際”をしている生徒をどう説論するか、教師役割を演じさせる。
2なぜ、男子は“援助交際”をしないのかという問いかけから、売買春を生み出す背景に男女不平等社会があることを考えさせる。
3「従軍慰安婦にされた少女たち」を題材に「性」が人間にとってどれだけ尊いものかを考えさせる。
4新聞の「人生相談」を教材にし、自分をあきらめた生き方はいつか壁にぶつかること、女性が自立することの意味を考える。
いずれも、生徒の本音を引き出しながら、語り合っていったが、一番手応えのある反応が戻ってきたのは、「従軍慰安婦」をテーマにしたときだった。性的権利を最も剥奪された少女たちの悲しみ、苦しみに共感することでせいはかけがえのないもの、決してほかから犯されたり管理されたりするものではない、自分自身の権利というメッセージが、生徒たちの中に伝わったのだと思う。
生徒たちと語り合いながらいつも痛感する。子どもに性は人権であることを教える以上、性を人権として尊重する社会を大人自身がまずつくらなくてはいけないのだと。
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