『週刊新潮』編集部御中
2003年1月31日
『週刊新潮』の卑劣で低俗な記事に抗議する
貴誌の2003年1月23日号及び1月30日号には、学校における性教育の実践に対する、特定の立場からの批判記事が連載されていますが、そのなかで私ども民間教育研究団体である「“人間と性”教育研究協議会」(以下、性教協と略記)に対する誹謗と中傷にみちた記事が掲載されています。これまで20年にわたり、微力ながらわが国の子どもたちの未来のために真摯に努力を続けてきた私どもとしては、これは看過できない内容であると考え、ここに強い憤りをもって抗議するとともに謝罪及び訂正記事の掲載を求めるものです。
1) 記事の内容は、性教育の理論と実践のほんの一部を恣意的にとりあげて、特定の立場から「過激すぎる性教育」というラベリングをすることによって構成されています。教育現場においてこの20年間積み上げてきた実践と研究の成果をまともに学んだり、取材することもなく、記事がつくられていることも、一貫した特徴です。
2)記事のほとんどが性教育の実践者ではない大学教員、国会・地方議会議員、教育委員会、学校管理職による、きわめて断片的で偏見にみちた発言をとりあげていることも共通した特徴です。したがって文章が「……あるのだそうだ」「いたそうです」「報告を受けています」などといったあいまいな事実確認しかされていないことも、こうした記事の無責任さであるといえます。
3)副読本(性教協が編集したわけではありませんが)などの引用も、片言隻句を取り上げたものであり、まったく正確ではありません。この点については、後日、詳細な反論をする予定でおります。
4)さらに重大な問題は、性教育の一部の資料を取り上げて、その実践のすべての発信が私ども性教協にあるかのごとくこじつけていることです。「一部の急進的な教育者グループ」というラベリングをおこない、「ポルノまがいと言っても差し支えない性教育」の「支援団体」として性教協の名称があげられていますが、これはまさしく名誉毀損であるといわざるを得ません。
また授業の紹介という形で記述される性や性器に関する表現には、実際の学校の授業についての無知、無理解さが露呈しており、執筆者自身のポルノ的視線が透けてみえて醜悪でさえあります。ぜひ一度子どもの視線で性教育の授業を受けてみたら如何でしょう。
5)インタビューに応じたとされる文部科学省の関係者の名前も明らかにせず、遠山文部科学大臣の顔写真を使って権威をもたせるという手法もきわめて悪質です。発言に責任をもつためにも氏名は明らかにすべきではないでしょうか。
6)記事のなかでコメントをしている人物について、貴社はどこまでご存知なのでしょうか。
高橋史朗・明星大学教授は、これまで統一協会系ダミー団体(たとえば、世界女性平和連合、東西南北統一運動国民連合など)で、講演と執筆を精力的に行なってきた人物です。
また山谷えり子・衆議院議員は、統一協会の政治部ともいうべき国際勝共連合の機関紙『世界日報』にたびたび登場している人物です。国際勝共連合中央本部は「2003年 内外情勢の展望」で「過激な性教育と『男女参画論』」に反対することを明記しており、このようなバックボーンがあるなかでさまざまな誹謗・中傷が組織的全国的におこなわれていることも事実なのです。
そのことを承知の上で、コメントを掲載しているのでしたら、貴社の見識が疑われる問題です。
週刊雑誌であるといえども、歴史のある『週刊新潮』がこのような低劣な誹謗記事を書き続けるようでは、その社会的信用を失うことになることも当然です。
今後、私どもに対して誹謗・中傷するような記事の掲載が続くようであれば、重大な決意でことに臨むことをお伝えしておきます。以上の内容について、真摯に検討をされ、誌面の改善をされることを強く訴えるものであります。
上記の抗議文への見解と謝罪及び訂正記事の掲載に関して、2月15日までに返答を求めるものです。誠意ある対応を強く求めます。
“人間と性”教育研究協議会 代表幹事 浅井春夫・村瀬幸浩