学校教育・性教育に対する不当な介入への対策連絡協議会
今月初め、長崎県佐世保市の小学校内で、6年生の女子児童が同級生の女子児童に刃物で切られ死亡するという大変衝撃的な事件が起きました。今、長崎をはじめ全国で教育や子育てについての検証・模索が行われていることでしょう。私たちも教育に関わる者として、様々な報道に注目し、子どもたちの「心の闇」について仲間たちと議論をしているところです。
そんな中で、何てことでしょうか。人の命を利用して、安倍幹事長が地元で『教育基本法改正を』と発言し、さっそく県議会に『早期改正』の意見書を求める発議がされ、6月22日の県議会で簡単な審議で採択されたというのです。今やるべきことは、子どもを早期から「負け組み」「勝ち組」に選別して争わせる競争主義が、「効率化」の名の下に強制されてきた教育状況を反省し、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」を謳う教育基本法の実現に向けて、「子どもが主人公」の学校づくりを模索することではないでしょうか。そして、子どもたちには思春期の自分作りや人間関係づくりの学習などの「こころとからだの学習」が必要なのではないでしょうか。
さて、今号は6月19日に開催した第4回「模擬授業」学習集会について報告します。
「おかしいぞ?教育委員会―みんなで考える性教育」パート4
今回の集会は「学校教育・性教育に対する不当な介入への対策連絡協議会」と「七生養護学校の教育を支援する日野市民の会」「不当処分撤回!ゆきとどいた障害児教育の発展をめざす会」の共催で、関係者間での交流学習会でした。内容は七生関係者による規制された模擬授業と学校の現状、保護者の声、各主催の活動経過、フロアからの発言などでした。
小学部低学年をイメージして設定したという「こころとからだの学習」の模擬授業は、赤ちゃんだっこ「ちいさなもの、弱き存在に優しく触れる」の題材で20分でした。教師の子守歌・赤ちゃんだっこのパフォーマンスを見る、ロールシアター「みんなみんな赤ちゃんだった」、「からだうた」の流れでしたが、低学年では性教育の授業は無くなってしまったそうです。また、重さや抱き心地等本物の赤ちゃんに近づけて作られた人形も、「からだうた」も小学部では使用禁止になってしまったそうです。
中学部の「こころとからだの学習」の模擬授業は、「誕生紙芝居、リラクゼーションと赤ちゃんのいるおなか体験、『うまれるよ』を伝える」という題材で、やはり20分でした。「不適切」教材とされ、都教委に没収され、使用禁止とされたため3キロの赤ちゃんの代用として水をいれたペットボトルや、子宮の代用としてはお湯を入れたポリ袋を教材にしていました。
それでも、子どもに成り代わった私たちには、先生の子どもたちへの思いや願い・授業のねらいが十分伝わり、ほっとしたひと時をHOTな気持ちですごすことができました。改めて七生の性教育のすばらしさ、必要性を実感しました。
次に、参加者の感想から●模擬授業、★学習会についてお知らせします。
● 初めて模擬授業を観て、思っていた以上に素晴しいものだと判りました。・・・人を大切にするということを伝える為の努力や工夫が受け手の立場でなされてきたからこそ評価と支持を得られたということが判りました。だからこそ、当局の攻撃対象にされたのでしょう。“材料”は性教育でなくても良かったのかもしれません。当局にとっては。
● とても良い授業を受ける事ができました。できれば小学部の授業は幼稚園や保育園の頃から少しずつ体験してほしいと思いました。又、中学部の授業も今の子どもたちに大切な「自己肯定感を育む」ためには、とても良い授業だと思います。このような授業ができない国がどうなっていくのか心配です。赤ちゃん人形1つ自由に使えない現実を知り、「なぜ!」という思いでいっぱいです・・・。
● ・・・Yくんが「お腹の中の水は気持ちよいね。友達みたいです。」「早くうまれたいです。学校に行きたいからです」と言った言葉に胸がジーンときました。うまれてきてよかった、楽しい、気持ちよい。このように子どもたちに思わせるのが「教育」ですよね。教師が何枚も書類を書いても、それは「教育」ではない。
● 赤ちゃん人形が何故不適切教材なのか、どう考えても理解できません。ペットボトルや紙切れでは、「人」のぬくもりなど到底伝わらないし、「生命の大切さ」を考える力も育たないと思います。
● 小学部のロールシアター「みんな赤ちゃんだった」、中学部の「誕生の紙芝居」「リラクゼーション」等、「生命を大切にする教育」「温かさ」を感じた。
● 「ゆりかごの歌」を歌いながら「先生」が登場すると、なんともゆったりと穏やかな幸せな気持ちになってきて、何か自分が赤ん坊に戻って羊水の中を漂っているような気持ちを味わうことができました。こんな工夫と愛情をこめた教育にとりくむ養護学校の先生を心から尊敬します。教育はひたすら創造的なもので、他人に教育方針を強制されるべき性質のものであってはならないと思います。
★ 学習会に参加させていただき、七生養護の現状を知ることができよかったと思います。もっと多くの人たちにも現状を知っていただければと思いました。これからもこのような学習会を続けていただきたいと思います。
★ 今日の学習会に参加し、改めて子どもたちが「正しい性教育を受ける権利」を奪われていることを実感しました。昨年7月以来の一連の流れを振り返ると、明らかにこれは七生をターゲットとした教育現場への不当介入に他ならず、権利の主体である子どもたち不在の教育の荒廃が日々進行しているように思います。問題となっている3人の都議や都教委に対し、「ノー!」といえる勇気と良識を、一人でも多くの都民が形にしていくことが、今求められているのではないでしょうか。
★ 本当に「おかしいぞ?」どころではなく「恐ろしいぞ!教育委員会」まできてしまいましたね。でも、この会のように、市民の目から鋭く行政を見ていく広がりは、かつてなく大きくなっています。「正しい教育」を正視できない体制の暴力的な介入が続くのです。中野の小学校PTA会長が、苦しみながらも「日の丸・君が代の押付」は、教育現場にはなじまないのでは・・・と、入学式で述べると、学校長始め権力者がこぞって彼を窮地に立たせ辞任させてしまった。彼を励ます立場に立つのか、権力者側の一員となって自分の良心を抹殺させるのか、私たち一人ひとりに問われる情勢ですね。
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