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■ 自立クライシス
--保健室からの思春期レポート--
[目次]
はじめに
第1章 保健室の情景
(1)思春期の蹉跌
羽化できないさなぎ/自立を阻む母親/15歳の春,涙の理由/高校なんて楽しくない/経済格差のひずみ/「つくり話」/増え続ける不登校/ゆっくり生きる/家庭内暴力の真相/あのころは地獄/少女たちのモデル探し/夢はダンサー
(2)思春期モラトリアム
「気になる子ども」はどこに?/長引く思春期/早くおとなに/親友―危ない友情/男らしさの幻想/「アキバ系」「腐女子」
第2章 自立の大地が揺らぐ
(1)食卓のない家庭
衣・食・住の崩壊/掃除だっておもしろい/手当てができない親/親は捨てられない/いなくなった父親/猫、拾ったことある?/風俗街を通り抜け/境遇を受け入れる
(2)悩める学校
保健室の新たな役割/学級崩壊と教員のバーンアウト/部活指導の悩み/部活って、やめちゃいけないの?/学校指導のカラ回り/遅刻模様さまざま/家庭との連携
(3)社会の教育力不足
おとなしい男の子/子どもへの虐待/ネットの弊害/「子どもが分からない」/ターゲットにされる子どもたち
第3章 脅かされる性と生
(1)おとなと子どもの境界線はどこに?
渋谷へ向かう少女たち/「少女イメージ」の呪縛/「どこでもドア」から侵入する男/性犯罪の被害者に/スクール・セクハラ/自傷行為が知らせるもの/酒の力を借りて/忍び寄る薬物
(2)性教育のネグレクト
性の学習権/子どもを守るための法整備/「おとなは教えてくれない」/メディア・リテラシー教育/2次性徴の早期化/性感染症・エイズの広がり/10代の妊娠/恋愛を語れるおとなに
第4章 子どもたちとの創造
(1)子どもの力
僕の家も、いろいろあるさ/憂鬱な夏休み/男と女の友情/体育祭って最高!
(2)子どもたちから学ぶ
会話のレッスン/難病をカミングアウトする/生き方の模索
(3)子どもたちとの創造
仲間に伝える「ピア・エデュケーション」/自己肯定感を高める/保健室は拠り所/ヤンママたちの素顔
第5章 すべての子を主人公に
(1)子どもと創る保健室
受容する/エネルギーの充電/子どものことを詮索しない/できなくて当たり前/最後は自分の力で
(2)素敵なロールモデルに
親に向き合い,親に寄り添う/育てることは待つこと/子どもたちのサポーター/思春期のステージ
あとがき
[内容紹介]
長期化する思春期、崩れる家族の食卓、空回りする学校指導、教育力を失った社会--おとなたちの迷走はどこまで続くのか?「うちはパパ父」「母さんみたいな女になりたくない」「オヤジなんて、あいつはただの居候」。人生のモデルを失って自立を阻まれる子どもたち、そして自立を支えるべきおとなの責務について、「保健室のセンセー」が警鐘を発信する。
[著者の声]
思春期の子どもたちは、大人に近づく心の変化にうろたえ、2次性徴による体の変化に戸惑い、親離れの心細さに震えながら、誰もが懸命に「自立」のための第一歩を踏み出そうとしています。自分らしい生き方を模索する彼ら彼女らの姿は美しく、哲学的です。
しかし、今、子どもたちのおぼつかない足下を支える大地であるべき、学校、家庭、地域社会が揺れています。子どもを消費のターゲットにした巧みな罠も仕掛けられており、思春期の自立の危機によるトラブルが多発しています。翻弄される子ども、うろたえる親、信頼されない学校、その不協和音は全国的に広がっているようです。
日々、思春期まっただ中の中学生と向きあっている保健室の教育臨床の視点から、等身大の子どもたちを見つめたこのレポートを通し、学校、家庭、地域の役割やその連携について考えていただければ幸いです。
(金子由美子)
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